これまで日本の学校では、校則をはじめ、学校のことについて決める際に生徒の声を聞くことはあまりない、むしろ、生徒が声を上げても、合理的な理由もなく、意見が反映されないことも多くありました。
しかし、市民団体や生徒などが声を上げたことにより、2022年12月に改訂された教師向けの指導ガイドブックである「生徒指導提要」には、子どもの権利の一般原則(生命および発達に対する権利、子どもの最善の利益、参加する権利、差別の禁止)が明記され、校則を改訂する際には生徒の声を聞くことが推奨されることになりました。
一方で、生徒の意見反映は、校則にとどまり、学校施設や学校行事、部活動、授業など、学校全般についての意思決定には十分に参加できていません。
また校則の議論も、子どもの権利の観点から、制服着用義務などを根本的に議論するのではなく、靴下の色や髪型など、細かい規制の話になっているケースも散見されます。
そこで、本当の意味で、生徒の声を尊重する学校に生まれ変わるためには、どうすれば良いか?
高校2年生でVoice Up Japan 高校生支部共同代表の日下部美雪さん、高校2年生で品川翔英高等学校生徒会長の濱崎希歩さん、世田谷区立桜丘中学校長として、校則や定期テストの廃止などを推進した西郷孝彦さん、学校内民主主義を推進してきた日本若者協議会代表理事の室橋祐貴さんで議論します。
学校の民主化や教育、子どもの権利などに関心のある方は、ぜひご参加ください!
スピーカー
日下部 美雪
高校2年生、Voice Up Japan 高校生支部共同代表。高校生支部として昨年1月に文部科学省に「制服と校則に関する意見書」を提出、記者会見を開催。現在は政治を中高生にとって身近な存在にすることを目的として校則問題を中心とした政治家対談を行っている。
濱崎 希歩
高校2年生、品川翔英高等学校生徒会長、NPO法人カタリバルールメイキング委員会中高生メンバー、首都圏学校改革委員会代表。中学の頃から生徒会を始め累計3年間生徒会長を務める。校則がない高校に入った後に巻き起こる人権侵害的指導や校則がないことに反する状況改善のため、生徒第一で活動をし続けている
西郷 孝彦
1954年横浜生まれ。上智大学理工学部を卒業後、1979年より都立の養護学校をはじめ、大田区や品川区、世田谷区で数学と理科の教員、教頭・副校長を歴任。2010年より10年間、世田谷区立桜丘中学校長に就任し、インクルーシブ教育を学校経営の中心に据え、校則や定期テスト等の廃止、ICTの活用、個性を伸ばす教育を推進した。
室橋 祐貴
日本若者協議会代表理事。慶應義塾大学経済学部卒、同大政策・メディア研究科中退。大学在学中からITスタートアップ立ち上げ、BUSINESS INSIDER JAPANで記者、大学院で研究等に従事。専門・関心領域は政策決定過程、民主主義、デジタルガバメント、社会保障、若者の政治参画など。文部科学省「高等教育の修学支援新制度在り方検討会議」委員。Yahoo!ニュース個人オーサー、日本経済新聞Think!エキスパート