いま住んでいる地域の問題を自分ごとだと思っている人はどれくらいいるでしょうか?

2023年4月には統一地方選挙が開かれますが、地方選挙の投票率は、40%を下回ることも珍しくありません。

国会に比べ、ニュースで地方議会が取り上げられることも少なく、どこか遠い存在になっています。

しかし本来は、教育や子育て、まちづくりなど、地方行政は日々の暮らしに直結しています。

どうしたらより多くの市民が参加し、さまざまな声が反映された行政、「住民に開かれた行政」に変われるのか?

近年は気候変動対策に市民の声を反映させる「気候市民会議」が欧州を中心に広がり、2022年には日本でも初めて自治体主催の「気候市民会議」が武蔵野市で開かれました。

今回のセッションでは、行政への住民参加に関して、先進的な取り組みを行っている、世田谷区の保坂展人区長、武蔵野市の松下玲子市長、杉並区の岸本聡子区長にご登壇いただきます。

ファシリテーターは、ドイツをはじめ「市民参加のまちづくり」に詳しい早稲田大学の卯月盛夫教授です。

民主的な取り組みを進めている、地方首長の議論にぜひご参加ください。

スピーカー

保坂 展人

世田谷区長

1955年宮城県仙台市生まれ。ジャーナリストとして世田谷区を拠点に教育問題に取り組んだ後、1996年から2009年まで衆議院議員を3期11年務める。2011年に世田谷区長に初当選し、3期12年にわたり区政を牽引。世田谷区長としての取り組みをまとめた『〈暮らしやすさ〉の都市戦略』(岩波書店)、『NO!で政治は変えられない』(ロッキング・オン)など、著書多数。

松下 玲子

武蔵野市長

1970年愛知県生まれ。実践女子大学文学部卒業後サッポロビール入社。
2004年早稲田大学大学院経済学研究科修了。2005年、2009年東京都議会議員選挙(武蔵野市選挙区)当選。
2017年武蔵野市長選挙当選。2021年に再選。現在2期目。家族は夫と子ども(中学生)。
趣味は料理、落語・舞台・美術鑑賞。座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」

岸本 聡子

杉並区長

1974年、東京都生まれ。2003年、国際政策シンクタンクNGO「トランスナショナル研究所(TNI)」に就職。研究員として、世界の自治体や教育機関、市民団体とともに活動。世界各地の公共サービスの民営化の実態と、公共サービスを住民の手に取り戻す「再公営化」の事例を調査するとともに世界中の市民運動と自治体をつなぐコーディネイトを行う。

2022年、日本に帰国。「住民思いの杉並区長を作る会」からの出馬要請を受け、2022年6月19日の杉並区長選に出馬し当選。7月11日、杉並区で女性初の区長に就任する。

【著書】
「水道、再び公営化!欧州・水の闘いから日本が学ぶこと」(集英社新書)、「私がつかんだコモンと民主主義-日本人女性移民、ヨーロッパのNGOで働く」(晶文社)、「地域主権という希望-欧州から杉並へ、恐れぬ自治体の挑戦」(大月書店)など。

卯月 盛夫

早稲田大学教授、建築家、都市デザイナー

ドイツ留学中に市役所に勤務した経験から、帰国後は世田谷区都市デザイン室に10年間勤務。その後、世田谷まちづくりセンター所長となり、住民主体のまちづくり支援に従事。早稲田大学に移籍後、被災地復興を含めてさまざまな住民参加の現場での実践と研究活動を継続。近年は「こどもまちづくりファンド」の普及に努めている。